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<弁理士コラム>外国出張雑感
国際会議へ出席するために、5月に米国(ワシントンDC)へ2週間、6月に欧州(ドイツ、スイス、デンマーク)へ10日間の出張に行きました。コロナ禍で渡航が制限される中でしたが、国内でじっとしていては何も始まらないと思い外国出張を敢行しました。以下では、コロナ前の外国出張と比べて変わったことなど、感じたことを述べたいと思います。
(1)出入国
予想通り、今までの国際線の搭乗に比べて、かなり煩雑でした。米国渡航時は、出発便の72時間以内にPCR検査をして陰性証明を取得する必要がありました。一方、欧州では渡航前の陰性証明の必要はありませんでした。ただし、米国でも欧州でも、3回目のワクチン接種証明が必要でした。この場合、海外渡航用の接種証明書が必要で、マイナンバーカードがない場合は区役所などで取得する必要があります。申し込んでから入手までに数日かかり、出発間近にようやく入手できたのですが、とてもあせりました。
帰国時は、米国でも欧州でも現地でPCR検査をして陰性証明を取得する必要があります。最近ではこの検査で陽性となり帰国できなくなったという大臣がいましたね。このPCR検査は出発便の72時間以内といった条件があるので注意が必要です。米国(ワシントンDC)のクリニックは、土日が営業日ではなかったので、PCR検査を受けるために出張の予定を変更せざるを得ませんでした。欧州(フランクフルト)のクリニックは土日も営業しており問題なかったです。なお、事前に知らなかったのですが、フランクフルト空港には大きなPCR検査会場が併設されており、わざわざ市内まで行く必要はなかったと思いました。
米国出張で帰国時に成田空港に着いたときは、空港でもPCR検査があったのでうんざりしました。しかし、よくオーガナイズされておりそれほど時間はかからなくて大きなストレスにはなりませんでした。6月以降は欧州からの帰国便は到着空港でのPCR検査がなくなっていましたので、いつも通りスムーズに入国できました。
(2)フライト
コロナの影響で便数が少なくなっており、選ぶことができる路線が限られていました。また、古い機材を使用している場合もあり、ある路線では10年以上前に乗ったのと同じ機材でした。これに最新のボーイング787と同じ費用を払うと思うと複雑な感じがしました。
欧州便は、ロシアのウクライナ侵攻の影響で遠回りの飛行経路となっており、いつもよりも2時間くらい長いフライト時間でした。羽田からフランクフルトまでは14時間半くらいかかりました。戦争の影響は色々なところに出ています。
(3)現地の様子
米国でも欧州でも、外では殆どの人がマスクをしていません。9割以上がマスクをしていませんでした。建物内ではマスクをしている人はいましたが、していない人の方が圧倒的に多かったです。レストランやバーでも、日本のようなマスク会食といったものは皆無です。皆さんコロナを忘れているような印象でした。
しかし、欧米人はハグなど人同士の接触が多いので、感染の確率が高いと感じました。実際に、多くの人が帰国後に発症したと聞いています。
(4)国際会議での様子
米国で参加した国際会議は、コロナ前では参加人数が2万人近い大規模なものでしたが、今年の場合はその半分以下の参加者でした。やはり感染をおそれて参加を見送る人が多かったようです。特にアジア地域からの参加者は殆どいませんでした。日本人は、我々以外には1人か2人見ただけでした。
それでも多くの友人に2~3年振りに会うことができて有意義でした。皆さんコロナで苦労されていると思いますが、「ビジネスは好調だよ。」と言っており明るい様子でした。こちらも元気をもらい、負けずに頑張らないと思い奮起させられました。他国の弁理士と会うと刺激を受けてモチベーションが上がります。
外国事務所とのミーティングでの話題は近況報告が多かったですが、米国ではウクライナ侵攻の話もよく話題になりました。欧州では地理的に近く少しナーバスな話題なのか、あまり話題にならなかった印象です。欧州の弁理士の中にはウクライナ難民を受け入れている立派な人もいました。
以上、とりとめもなく外国出張で感じたことを述べましたが、早くコロナ禍が終わりいつもの生活に戻ることを祈っています。
↓米国特許商標庁(USPTO)
↓モントルー(スイス)
弁理士 藤田考晴