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<弁理士コラム>台湾出願の審査書類の入手方法

最近では、各国特許庁における審査情報の共有が進み、J-PlatPatにおいてワン・ポータル・ドシエ(OPD)照会を行うことにより、中国・韓国出願における拒絶理由通知等の書類の原文だけでなく英訳文も入手できるようになってきました。

参考:特許庁ウェブサイトの「ワン・ポータル・ドシエ(OPD)照会の使い方」
https://www.jpo.go.jp/news/kokusai/ip5/opd_manual.html

台湾出願についても、下記の2021年6月22日の情報によれば、台湾特許庁(台湾智慧財産局)のドシエ情報も取り扱うとのことで、こちらで拒絶理由通知等の書類の英訳文を入手できるかと期待しましたが、残念ながら当方で実際の案件の情報を調べた限りでは、特許庁のJ-PlatPatでは台湾出願の審査書類の英訳文は入手できずに原文のみとなります。ただ、こちらの情報だけでも、審査状況やその書類が入手できますので、十分に有効な情報ではあります。

参考:特許庁ウェブサイトの「各国特許出願・審査情報の一般ユーザへの提供について」
https://www.jpo.go.jp/news/kokusai/ip5/patent_user.html

台湾特許庁のホームページで台湾出願の審査書類の英訳文を入手できないかと試しましたが、残念ながら英訳文や原文から英語への自動翻訳機能などは現時点では備わっていないようです。台湾特許庁のホームページで台湾出願の審査書類(包袋)を入手するにあたり、審査書類にたどり着くまで若干苦労しましたので、以下に台湾出願の審査書類の入手方法をまとめてみました。

■台湾出願の審査書類の入手方法
台湾出願の審査書類の入手方法については、工業所有権情報・研修館の「新興国等知財情報データバンク」に下記情報があります。2020年11月17日の情報ですので、それほど古くはないのですが、台湾特許庁のホームページのリニューアルにより下記情報では最新のホームページには対応していません。

参考:台湾の専利の包袋資料入手方法
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/etc/19567/

当方は下記の手順でアクセスしました。以下は、台湾出願の出願番号を予め知っていて、その案件の審査情報を入手する場合の操作例です。

(1) TIPOウェブサイト(https://www.tipo.gov.tw/tw/mp-1.html)にアクセスし、画面右上の「English」をクリックする。

(2) 画面右上の三本線のマークをクリックする。

(3) 「Services」の「Search」をクリックする。

(4) 特許・実用新案登録出願を調査する場合は下記画面の下側の「Patent Search」をクリックする。

(5)下記画面で左上の「Patent Search」をクリックし、「Number」を選択する。
※ここが分かりにくいです。下側に表示される検索画面では出願番号を入力できず出願日・公開日等の日付を入れることしかできません。

(6)下記画面で対象案件の番号種別(Application Number等)を選択し、番号を右欄に入力し、「Search」をクリックする。

(7) 下記画面で「File Wrapper」をクリックする。

(8)下記画面で認証情報の入力が求められるため、認証情報を入力して「Search」をクリックする。

(9)下記画面の下側に審査書類が時系列で表示される。必要な書類をクリックすると書類が表示される。
※下記画面の右上で「日本語」を選択すると、文書名等が日本語で表示される。
※下記画面の右上で「日本語」を選択しても、書類自体は原文のまま表示される。

以上が2022年7月時点での台湾出願の審査書類の入手方法です。ウェブサイトへのメールアドレスの登録などの必要はありませんが、たどり着くまでには時間を要します。ホームページの更新は頻繁にありますので、いつまで以上の方法が使えるかは分かりませんが、暫くはこの方法でアクセスができると思います。

弁理士 長田 大輔

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