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<弁理士コラム>複数の分野に属するアイデア

先日とあるハンバーグレストランに食事に行きました。そのお店ではスープバーやサラダバーがあり注文すればセルフサービスでスープやサラダを何度でも取ることができるとのことでした。私はハンバーグとスープバーのみを注文し、サラダバーは注文しませんでした。注文を終え早速スープを取りに行きコーンスープをカップによそい、席に戻ろうとした私の視線の先にあるものが入りました。クルトンです。クルトンもあるのか、とコーンスープにクルトンをトッピングしようとしたときにふと考えました。果たして、このクルトンはスープ用なのか、サラダ用なのか。スープ用であれば問題はありません。しかし、サラダ用であればこれは問題です。なぜならば私はサラダバーを注文していないからです。スープ用かサラダ用か。クルトンが置いてある位置もスープコーナーとサラダコーナーのちょうど中間あたりであり、位置からはクルトンがどちらの所属なのか判断がつきません。一瞬何も知らぬふりをしてクルトンをスープにトッピングしようとも思いましたが、問題となるのも困るので、店員さんに確認してみました。店員さんの返事は「どちらでも利用することができますよ」というものでした。どうやらクルトンは、スープバーとサラダバーの両方に属しているようでした。

複数の分野に属するものは、知的財産の世界にも存在します。

知的財産権には、技術的なアイデアを保護する特許権やデザインのアイデアを保護する意匠など、様々な権利が存在します。これらの権利は一見すると全く別であり重なることがないものと思えるかもしれませんが、実際はそんなことはありません。生み出されたアイデアが技術的にもデザイン的にも新しい場合には、特許権の対象にも意匠権の対象にもなり得ます(両方権利化することも可能です)。すなわち、知的財産となり得るアイデアにもクルトンのように複数の分野に属するものが存在するのです。

特許権や意匠権等の各権利には、存続期間の長さや権利化のし易さ等様々な特徴がありますので、生み出されたアイデアをどのような権利で保護するべきかの判断は重要なものになります。しかしながら、自分のアイデアがどの分野に属するアイデアなのか、また、どの分野で保護することが適切なのか、判断が難しい場合もあると思いますので、新たなアイデアを生み出した場合には、まずは特許事務所等の専門家に相談することをお勧めします。弊所でも応じておりますので、お気軽にご相談ください。

弁理士 藤澤 厚太郎

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